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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠1 IUI後に発症した子宮内外同時妊娠の1例
五十嵐 豪1), 栗林 靖1), 和田 康菜1), 中島 健1), 増田 充1), 岩田 正範1), 斎藤 馨1), 堀越 裕史1), 徳山 真弓1), 近藤 俊彦1), 石塚 文平2)
聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2)
【緒言】ARTの進歩により子宮外妊娠の頻度は増加している.特にIVF後の子宮内外同時妊娠は比較的多くその発症率は約1%と言われている.しかしながら,過排卵誘発後の子宮内外同時妊娠発生率は,約0.25%と極めて低率である.今回我々は,濃縮人工授精(IUI)後の子宮内外同時妊娠を経験したので報告する.【症例】症例は,32歳,0経妊0経産.当院において乏精子症のためIUIを選択し不妊治療を行っていた.6回目のIUIにおいて妊娠に至るが,GSを確認できず妊娠7w1dの時点でD&Cを行った.hCG低下を確認後に,本人の強い希望により次回月経より再度hMGにて過排卵誘発しIUIを施行した.流産後最初のIUIにおいて妊娠が成立した.しかし,妊娠8w3dの時点で子宮内にGSは認めるものの発育傾向なくD&Cを施行した.D&C後,約3週間しても性器出血が継続し貧血症状が強く,また,血中hCG 2,675mIU/mlと妊娠継続を示したため緊急入院となった.経腟超音波上,ダグラス窩にecho free spaceを認め子宮外妊娠を疑い腹腔鏡下手術を行った.腹腔鏡にて左卵管狭部流産と診断し,左卵管切除術を施行した.【結語】今回我々は,IUI後に発症した子宮内外同時妊娠を経験した.IVFではなくとも過排卵誘発により多数の排卵が推測された場合は,子宮外妊娠を常に念頭に置き診療にあたるべきであることを痛感させられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
305-305, 2004
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