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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠1 後腹膜血腫をきたした腹腔妊娠の一例
三和 紀子, 小堀 宏之, 阿部 弥生, 白井 洋平, 村岡 友美子, 西岡 暢子, 阿部 礼子, 長沢 敢, 山本 勉
越谷市立病院産婦人科
子宮外妊娠は婦人科急性腹症の代表的な疾患である.今回我々は両側卵管切除後に不妊治療を施行し後腹膜血腫をきたした腹腔妊娠の一例を経験したので報告する.症例は34歳.既往に2回の子宮外妊娠により両側卵管切除後IVF-ETにより第1子を出産.今回第2子希望の為,他院で不妊治療を受けていた.3月31日採卵,4月3日胚移植(3個)施行.4月中旬より月経様の出血を認めた.5月15日急性腹症のため当院外科を救急車で受診するも外科的疾患は否定的なため婦人科受診.初診時下腹部全体に圧痛を認めるも超音波検査上,子宮及び付属器領域には特記すべき異常は認められず,ダグラス窩に少量のecho free spaceが認められた.WBC12,000/μl,Hb12.5g/dl,CRP<0.25mg/dl,hCG定性検査陽性であったため,子宮外妊娠疑いで入院となる.入院直後に急激な腹部膨満及び貧血を認めショック状態となった為,緊急手術となった.術中所見は子宮及び付属器領域には妊娠部位が認められず,血性腹水を少量認め,右後腹膜腔は血腫により膨隆していた.後腹膜を開放したところ,総腸骨動脈分岐部周囲から出血が認められ,縫合止血をするとともに一部biopsyを行った.出血量は2,000ml,MAP10単位,FFP10単位使用.病理所見では絨毛組織が認められ,腹腔妊娠と診断した.手術で完全に摘出が出来ず,術後追加治療としてMTX20mgを4日間筋注.血中hCG値は入院時5629IU/lから2ヵ月後には陰性化した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
306-306, 2004
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