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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠1 Methotrexate(MTX)と子宮動脈塞栓術による保存的治療を行った妊娠10週頚管妊娠の1例
杉山 真理子, 池田 申之, 上山 和也, 齋藤 知見, 宮国 泰香, 國井 優衣子, 小林 優子, 中村 貴則, 田口 雄史, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学付属浦安病院産婦人科
【緒言】頸管妊娠は異所性妊娠の1型であり,その頻度は妊娠2500〜18000に1例と稀であるが,妊娠週数が進み対応が遅れると大量出血をきたし,子宮摘出が必要となることもある.今回我々は,妊娠10週の頸管妊娠に対しMTX投与と子宮動脈塞栓術によって保存的に治療し得た症例を経験したので報告する.【症例】症例は31歳,平成15年11月に第1子を帝切分娩後,無月経が持続していた.平成16年4月初旬から性器出血を認めたため,5月1日に近医産婦人科を受診し,頸管妊娠の疑いで当院に搬送され入院となった.入院時,子宮頸部は手拳大に腫大し,子宮口より少量の出血を認めた.超音波断層法で,子宮体部は正常大であったが,子宮頸部は直径約10cm大に腫大し,内部に血腫を伴う胎嚢と頭殿長28mmの心拍を伴う胎児を認めたため,妊娠10週の頸管妊娠と診断した.患者が子宮温存を強く希望したため,治療に伴う副作用の他,治療中に大量出血と子宮全摘の可能性があることなどのインフォームドコンセントを得た後,保存的治療を選択した.MTXの全身投与(20mg/d×5日間を1コース)を4コースと両側子宮動脈塞栓術を計3回施行した.1回目と2回目の塞栓術では,塞栓物質として,スポンゼルを使用したが,3回目の塞栓術時にはIvalon(ポリビニールアルコール)とスポンゼルを使用した.入院時117,307mIU/mlであった血中 β -HCGは,治療によって順調に低下し,上記治療後は4.8mIU/mlまで低下した.現在内診および画像上もほぼ正常の子宮頸部となり外来で経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
307-307, 2004
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