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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠2/感染症
広汎なガス産生性皮下膿瘍へと進展したリンパ膿瘍の一例


和地 祐一, 岩下 光利, 高橋 康一, 安藤 索, 松本 浩範
杏林大学産婦人科


 平成15年12月不正出血にて他院受診し内膜細胞診class 4にて当院紹介.平成16年1月内膜組織診にてendometrioid adenocarcinomaの診断で2月16日拡大子宮全摘出術施行.病理組織所見はendometrioid adenocarcinoma of the endocervixであり,pTNM分類にてT1bN0M0であった.平成16年3月9日化学療法(monthlyTJ)施行.全身状態に異常は認めなかった.同年3月27日より左下腹部の腫脹認め,その後徐々に増悪.4月1日外来受診にて13×5cmの左下腹部腫脹(術後ドレーン留置部位付近),39度の発熱,疼痛認めたため,精査加療目的に入院となる.WBC 10100/μl,CRP 17.5mg/dlと炎症所見強く,セフェム系抗生剤の点滴開始するも炎症症状の軽減を認めなかった.CT所見上,ガス産生を伴った皮下膿瘍を認めたため,ガス壊疽等の重症感染を疑い4月2日手術的な排膿と広範囲のデブリードマンを施行した.皮膚切開時に多量の悪臭を伴う黄緑色の膿流出を認めた.筋層は部分的に融解していた.筋膜に異常は認めなかった.膿瘍は後腹膜腔に限局しており,腹腔内には膿瘍貯留認めなかった.内容液の培養にて嫌気性菌が検出されたため非クロストリジウム性のガス壊疽と診断された.術創深部は筋膜までの開放創とした.術後抗生剤はカルバペネム系としセフェム系の2剤併用を行い計20日施行した.術後44日経過良好にて退院.外来管理となった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 309-309, 2004


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