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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
性器異常/不妊 卵管鏡下卵管形成術後妊娠し挙児を得た双頸双角子宮の1例
岡本 三四郎, 松田 秀雄, 坂口 健一郎, 早田 英二郎, 伊香 加奈子, 牧村 紀子, 古谷 健一, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科
近年不妊症治療の一つとして卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル)が注目されているが,今回我々は,IVF治療の後受精を確認し,卵管鏡下卵管形成術を行った後に妊娠が成立し,無事挙児を得た双頸双角子宮の1例を経験したので報告する.0経妊0経産.29歳.挙児希望にて当科受診した.夫精液は特に問題なかったが,双頸双角子宮のためHSGは施行できず,また内分泌検査にてプロラクチン軽度高値とE2軽度低値を認めるため,パーロデルとクロミッド内服開始するも妊娠成立せず,IVF施行したところ受精を確認し,精査加療目的にて腹腔鏡手術・卵管鏡下卵管形成術を行った.術後,再度クロミッド内服開始したところ,妊娠反応陽性.妊娠成立し,ハイリスク妊娠外来にてフォローすることとなった.妊娠12週4日切迫流産にて管理入院.妊娠17週3日双頸双角子宮にて頚管長の短縮を認めシロッカー頚管縫縮術を施行した.以後再度ハイリスク妊娠外来にてフォローすることとなった.妊娠36週5日,管理目的入院.妊娠37週3日予定帝王切開となった.出生児3015g男,A/S=9/10.術後経過は順調で,術後8日目に母児ともに退院となった.不妊症治療として生殖補助医療(ART)は急速に進歩しているが,不妊の原因を精査し,卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル)を取り入れることにより,その原因に沿った治療法の選択肢の一つになると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
311-311, 2004
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