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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩1 急性骨髄性白血病合併妊娠の1例
増田 健太郎, 尾本 暁子, 加来 建志, 長田 久夫
千葉大学医学部附属病院周産期母性科
症例は26歳,2経妊2経産,既往歴家族歴の特記事項はない.妊娠初期に軽度貧血を指摘され鉄剤を処方されていた.妊娠29週,定期血算検査にて高度貧血,血小板数減少,末梢血像にて芽球増加を認め,妊娠30週当院紹介となった.初診時検査にて強く急性骨髄性白血病が疑われ同日入院となった.気胸,肺炎を併発し挿管呼吸器管理を要しICU入室となった.入室中より白血病に対し化学療法開始となり,また切迫早産の診断にてtocolysis施行した.抗癌剤による白血球減少進行中,妊娠31週にて前期破水を認め,母体挿管のまま経膣分娩となった.児はNICUへ入院となったが,抗癌剤の副作用である骨髄抑制は認められず経過は良好である.母体は現在も化学療法続行中である.急性骨髄性白血病を妊娠中に発症する事は非常に稀である.通常急性骨髄性白血病が診断された場合,救命のため早急に化学療法が開始される.ただし妊娠中であった場合,母体投与された抗癌剤の胎児への影響,また出生後新生児の骨髄抑制など化学療法の開始時期には苦慮する場合がある.今回我々は急性骨髄性白血病合併妊娠の1例を経験したのでここに報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
168-168, 2005
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