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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩3 子宮頚管長短縮,腟内胎胞脱出にて頚管縫縮術を施行した症例の臨床的検討
時田 佐智子, 湯原 千治, 白井 洋平, 佐藤 佐和子, 鈴木 千賀子, 桜井 明弘, 鈴木 正明
賛育会病院産婦人科
【目的】子宮頚管長短縮例,腟内胎胞脱出例の頚管縫縮術の適応はいまだ一定していない.当院で施行した頚管縫縮術症例のうち,頚管長短縮例,腟内胎胞脱出例に対し,その有効性について検討した.【対象・方法】2003年1月から2004年12月の2年間に当院で頚管長短縮例,腟内胎胞脱出例に対し頚管縫縮術を施行した14例に対し後方視的に検討した.【結果】頚管長短縮例は8例,腟内胎胞脱出例は6例で,頚管縫縮術施行時の平均妊娠週数は22.7±2.1週であった.全例明らかな子宮内感染徴候はなかった.14例中4例は術後,分娩に至るまで入院を必要としたが,10例は術後6日から65日間の入院加療後,外来で経過観察可能であった.頚管長短縮例中3例は,27週から29週でそれぞれ前期破水,子宮収縮抑制不能,全置胎盤大量出血のため早産となり,5例は37週以降まで妊娠期間を延長することができた.腟内胎胞脱出例中1例は術後10日目,妊娠20週で破水し死産に至ったが,5例はいずれも生児獲得に至っている.このうち1例は術後30日目に子宮収縮抑制困難となり妊娠27週で緊急帝王切開を施行し,4例は38週以降に正常分娩に至った.全14症例の平均妊娠延長期間は168.7±35.2日であった.【結論】明らかな子宮内感染がなく,著明な胎胞突出していない例に対して行う頚管縫縮術は,妊娠期間の延長に有効であったと考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
175-175, 2005
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