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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
その他の悪性腫瘍2 卵管間膜より発生した顆粒膜細胞腫の一例
平岩 芙美子, 紅露 有子, 外村 光康, 永田 順子, 中村 秋彦
国立病院機構横浜医療センター産婦人科
顆粒膜細胞腫は卵巣に発生する,性索間質系腫瘍のひとつであるが,今回我々は,卵巣とは明らかに離れた,卵管間膜から発生した顆粒膜細胞腫の症例を経験した.症例は59歳の女性で,不正出血を主訴に来院した.左付属器に手拳大の腫瘤を触れ,超音波断層法では充実性の腫瘍で一部にのう胞を認めた.子宮内膜は肥厚し,子宮内膜細胞診は疑陽性であった.血中エストラジオール値67pg/mlと高値を示しており,ホルモン産生卵巣腫瘍を疑い開腹手術を行った.【手術所見】少量の腹水を認め,子宮は超鶏卵大,卵巣は左右とも萎縮性,腫瘍は左卵管間膜より発生しており,卵管はひきのばされていたが,明らかに卵巣とは離れていた.術中迅速病理診断で,顆粒膜細胞腫が疑われた.子宮全摘術と両側付属器摘出術を行った.腹水細胞診は陰性であった.【肉眼所見】腫瘍は10×9×7cm大の充実性腫瘍で,割面は黄色調を呈し,一部にのう胞を認めた.【組織所見】腫瘍細胞はtrabecular,microfollicular patternを示して増殖しており,シート状,腺管様構造の部分も認められた.核溝は明らかでなく,核分裂像は目立たなかった.免疫染色で,エストラジオール陽性,ケラチン陰性,クロモグラニンA陰性であり,顆粒膜細胞腫と診断した.顆粒膜細胞腫は卵巣の性索間質系腫瘍に分類されるが,卵巣外から発生するものが稀にあり,性索間質の組織発生と顆粒膜細胞腫のoriginについて文献的考察を含め発表する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
183-183, 2005
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