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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
その他の悪性腫瘍4 絨毛性疾患3症例の検討
藤田 欣子, 重田 優子, 酒池 淳, 新井 隆成
独立行政法人国立病院機構災害医療センター産婦人科
絨毛性疾患の治療は,予後スコアと臨床進行期分類を組み合わせ,それによって高危険群と低危険群に分類しそれぞれの管理方法が標準化されつつある.低危険群には,MTX,ActDなどの単剤療法を用い,良好な結果が得られている.これに対して,高危険群ではEMA/CO療法やEP/EMA療法などの多剤併用療法が選択されている.【症例1】46歳 不正出血にて来院し,画像上著明な子宮内膜肥厚認めた.尿中HCGは256000単位,子宮内容の病理検査にて絨毛癌と診断された.遠隔転移は否定的であり,化学療法を2コース施行した後,子宮全摘術施行したが,病理検査では絨毛組織は子宮,卵巣とも認めなかった.【症例2】42歳 稽留流産の診断にて子宮内容除去術施行し,病理検査にて部分奇胎と診断された.尿中HCGは16000単位であった.尿中HCGは5週経過した時点で4000単位あり,経過非順調型と考えられた.MRI検査で子宮体部への侵入奇胎を疑われ,胸部CTにて肺転移も指摘され,化学療法を施行した.【症例3】42歳 初診時,子宮体部は成人頭大に腫大しており,画像上,全胞状奇胎と考えられた.また,両側卵巣にルテイン嚢胞を認めた.尿中HCG800万単位と著明に上昇していた.子宮内容除去術では,肉眼的に胞状の絨毛を多量に認め,病理検査にて全胞状奇胎と診断された.術後化学療法を施行した.【目的】臨床進行期分類と予後スコアおよび,従来より用いられている絨毛癌診断スコアに照らし,最近当院で管理された絨毛性疾患3例について文献的考察を加え,薬剤選択の整合性を検討する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
186-186, 2005
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