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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
更年期・老年期 SSRIが閉経後女性の血管運動神経症状に及ぼす効果に関する検討
矢追 正幸, 濱田 佳伸, 大藏 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
【目的】選択的セロトニン阻害薬(SSRI)のパロキセチンが閉経後女性の血管運動神経症状に及ぼす効果について,結合型エストロゲン(CEE)の効果と比較することにより検討した.【方法】SRQ-D≧16点またはSDS≧40点でうつ病またはうつ傾向があり,かつ,ホットフラッシュと発汗を同時に有する閉経後女性(平均年齢±SD:53.4±5.8歳)12名を対象とした.ホットフラッシュと発汗の自覚症状を軽度(1点),中等度(2点),重度(3点)の3段階に分類し,パロキセチン10〜20mg/日またはCEE 0.625mg/日を投与前と,投与後2週,4週,8週,12週に測定して比較検討した.【結果】ホットフラッシュに対しては,SSRI群とCEE群のいずれも投与後すべての週数で平均スコアは有意に低下した(p<0.05〜p<0.001).群間比較では,8週後のみにおいてCEE群の平均スコアはSSRI群に比べて有意に低値を示した(p<0.05).発汗に対しては,SSRIの2週後,4週後および12週後に平均スコアは有意に低下した(p<0.05〜p<0.01).一方,CEE群の平均スコアは投与後すべての週数で有意に低下した(p<0.05〜p<0.01).群間比較では,4週後と8週後でSSRI群に比べて有意に低値を示した.【結論】SSRI(パロキセチン)は,血管運動神経症状に対して,CEE 0.625mgに比べるとやや劣るが,明らかな改善効果がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
188-188, 2005
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