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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
更年期・老年期
肝硬変による大量腹水が誘因となった全骨盤臓器脱の一例


大渡 理恵, 小堀 宏之, 川原 康緒, 阿部 弥生, 三和 紀子, 依田 綾子, 阿部 礼子, 長澤 敢, 山本 勉
越谷市立病院産婦人科


 【緒言】性器脱は分娩や加齢による変化,慢性的な腹圧などによる骨盤底の弛緩によって生じる病態である.HCV感染による肝硬変に伴う大量腹水が誘因となり性器脱を悪化させ,全骨盤臓器脱となった症例を経験したので報告する.【症例】59歳女性 2経妊2経産 平成16年11月8日下腹痛・排尿困難・下腿浮腫を主訴に当院を受診した.外診察で全骨盤臓器脱を認め,超音波断層法検査において大量の腹水が確認された.腹腔内圧が高く,極めて激しい疼痛を伴うため用手的な陥納は不可能であり,全身管理目的で入院となった.腹部CTでは肝の萎縮及び脾臓の腫大が確認され,血液検査において血小板の低下,凝固因子の異常(PT延長),低蛋白血症,HCV-RNAが陽性であり,HCV感染による肝硬変と診断された.MRIの矢状断において子宮及び膀胱が恥骨を越えて下方に存在しており,全骨盤臓器脱の状態であった.消化器内科との協力のもと,アルブミンおよび利尿剤(フロセミド,スピロノラクトン)の投与を行い,約1ヵ月で腹水及び全身の浮腫改善傾向を認めた.12月14日性器脱を用手的に還納,リングペッサリーを用いて膀胱,子宮,直腸を腟内に還納することができた.その後,自排尿も可能となり12月22日退院.現在,外来において経過観察中である.【結語】性器脱は経産婦の5〜10%程度に存在するが,全骨盤臓器脱にいたるものは稀である.本症例では,肝硬変に伴う大量腹水により性器脱が重症化し全骨盤臓器脱の状態となり,全身管理により性器脱を含めた治療が可能であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 189-189, 2005


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