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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
更年期・老年期 手術施行前に子宮放線菌症と確定した1例
青木 宏1), 村田 知美1), 平川 隆史1), 中村 和人1), 鹿沼 達哉1), 峯岸 敬1), 南雲 秀紀2)
群馬大学付属病院産婦人科1), 社会保険群馬中央総合病院産婦人科2)
放線菌症はグラム陽性嫌気性菌である放線菌による慢性・化膿性あるいは肉芽腫性疾患である.化膿性肉芽腫病変の中心病巣内に特有の菌塊を形成し,これが慢性化すると腫瘍を形成し,悪性腫瘍との鑑別が困難となることがある.感染好発部位は頭頚部で40〜60%を占め,腹部が20〜30%,胸部が10〜20%であり,腹部の中では虫垂と回盲部が64.9%と多く,骨盤内放線菌症は3%で極めて少ないとされている.今回我々は,直腸癌の術後定期検診中に子宮の腫大に気づき,精査により子宮放線菌症と診断された症例を経験したので報告する.症例は66歳,2経妊2経産,15年前にIUDを挿入.平成16.4. 8直腸癌にて低位前方切除術施行し,術後に化学療法施行.術後4ヶ月後のCT検査で術前より明らかに腫大した子宮に気づき,転移性または原発性子宮腫瘍が疑われ産婦人科に紹介され受診した.超音波,MRI検査にて子宮はびまん性に腫大し,膿性帯下と軽度の子宮内膜炎様の症状を認めた.細胞診,膣分泌物培にて異常は認められなかったが,子宮内膜組織診にて放線菌塊を認めたため子宮放線菌症と診断.1ヶ月のABPCの点滴治療を施行し,現在AMPCの内服治療中であるが画像検査上,子宮は縮小し,膿性帯下と下腹部痛は改善した.骨盤内放線菌症とIUDとの関連は報告されているが,非常にまれな疾患であり,急性腹症にて手術摘出し診断されることが多く,手術前に診断されることは少ない.今回我々は手術摘出前に子宮放線菌症と確定しえて保存的治療にて改善した.IUDを長期に挿入した症例には放線菌症の可能性もあり,子宮腫瘍の鑑別のひとつとして考える必要があると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
190-190, 2005
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