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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
更年期・老年期
高齢者に発症し,診断に苦慮した卵巣チョコレート嚢腫破裂の一例


杉山 真理子, 宮国 泰香, 國井 優衣子, 小林 優子, 坂本 愛子, 中村 貴則, 田口 雄史, 池田 申之, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学附属順天堂浦安病院産婦人科


 子宮内膜症は,子宮内膜組織に類似した組織が異所性に発生,発育する疾患である.エストロゲン依存性であるため,性成熟期に発生し,妊娠中や閉経後は縮小,消失することが多い.今回我々は,高齢者に発症し,診断に苦慮したチョコレート嚢腫破裂の一例を経験したので報告する.
症例は,72歳,3経妊,3経産.既往歴は,糖尿病,陳旧性心筋梗塞,脳梗塞,高脂血症.平成16年11月に突然の下腹痛を主訴に近医受診.腹部CTにて腹水,腹部腫瘍を認め,急性腹症の診断で入院となる.その後,症状増悪し,翌日精査加療目的に当院紹介入院となる.超音波断層法にて,大量の腹水と充実性の腫瘤像を認めた.腹部造影CTを施行し,子宮体部の左側に,造影効果のある約8cm大の腫瘤を認め,血液検査では,CA125が1423.9U/mlと高値を示した.以上より卵巣腫瘍を疑い,診断目的に腹水穿刺を施行した.腹水の性状は,暗赤色で,腹水細胞診はclassIIで悪性細胞は認められなかった.以上の経過より,悪性腫瘍ではなく,卵巣腫瘍の破裂や茎捻転を考え,開腹手術を施行した.術中所見は,左卵巣が約10cm大に腫大,破裂し,腹腔内に約900mlのチョコレート様の内溶液を認め,左附属器切除術を施行した.病理組織診断は,子宮内膜症性卵巣嚢腫であった.心不全,脳梗塞等を合併していたため,術後の管理に苦慮したが,術後30病日目に退院となった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 190-190, 2005


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