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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
感染症
当科におけるPID症例の検討(腹腔鏡下手術の適応について)


江良 澄子1), 高井 泰1), 林 直樹1), 松永 茂剛1), 伊東 宗毅1), 大久保 貴司1), 斉藤 正博1), 関 博之1), 馬場 一憲2), 竹田 省1)
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター2)


 【目的】PID(pelvic inflammatory disease;骨盤内炎症性疾患)は,抗生剤の投与で軽快するものから開腹手術を要するものまで,多様な臨床像を呈する.一方,虫垂炎,憩室炎など鑑別せねばならない疾患が多数あり,診断と治療に苦慮する例も多数認められる.そこで当科で経験したPID症例を検討し,診断と治療について考察する.【方法】2000年1月1日から2004年12月31日の5年間に当科で腹腔鏡下手術(laparo群)あるいは開腹手術(Lapa群)を施行した32例を対象として,手術内容,治療効果,合併症などを比較・検討した.【成績】laparo群10例(28.3±6.9歳;mean±SD)は,Lapa群22例(39.8±13.0歳)に比べて有意に若齢だった(P=0.02).laparo群中1例,Lapa群中2例は術中に虫垂炎と診断し,前者では開腹手術に移行した.手術時間(110±37 vs 110±32分),術中出血量(140±246 vs 243±233ml),発熱期間(5.2±3.4 vs 6.8±6.7日),術後入院日数(7.7±2.2 vs 12.5±7.0日)に有意差はなかったが,laparo群で術後入院日数が短い傾向があった(P=0.08).入院当日に腹腔鏡下膿瘍ドレナージ術を施行した症例で,術後にSpO2の低下を伴うSIRS(systemic inflammatory response syndrome)を発症した.【結論】PIDの急性期には抗生剤の投与をある程度行い,24―48時間で改善を認めない場合や画像診断で明らかな膿瘍を認める場合には,外科的ドレナージを考慮することが望ましい.また,低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は,症例を選べば開腹手術と比べて治療効果に明らかな差はなく,虫垂炎などの鑑別診断も可能であり,その適応を検討する意義があると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 192-192, 2005


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