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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
感染症 東京地区におけるクラミジア・トラコマチス,淋菌の検査成績
松田 静治1), 安藤 三郎1), 市瀬 正之2)
江東病院産婦人科1), 東京都予防医学協会検診検査センター2)
近年の性感染症(STD,STI)は病原微生物の多様化と患者の低年齢化が注目され,特に若年層の間でクラミジア・トラコマチス(C. T)と淋菌(N. G)が急速に増えてきており,その特徴は臨床病態が比較的軽微で目立った自覚症状がなく,適切な治療がおこなわれずに周囲に感染が拡がっていることである. 本報告は東京地区におけるC. TとN. G感染症の実態を捉える一環として,東京産婦人科医会の協力のもと,東京都内の産婦人科診療所,病産院から送られた子宮頸管よりの採取検体について,東京都予防医学協会で両菌の一括抗原検査を行った成績を述べる. C. Tでは1987年以降抗原陽性率は約78,000例中11%(妊婦で5%,非妊婦13%)で年齢別では20才以下の陽性率が高い.一方N. Gでは1992年以降の抗原陽性率は約12,000例中6%(妊婦3%,非妊婦6%)で,C. T抗原陽性率の約二分の一であるが,年度別にみると6%から10%台へと着実に上昇していることは注目すべきで,C. Tと同様若年層で陽性率の高い傾向がうかがわれた.これらをふまえ現在医療機関にかかっていない隠れた感染者が数多いことより,予防対策(個人個人の自己管理,検診率の向上,性教育の徹底など)の重要性を指摘した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
193-193, 2005
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