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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮奇形 月経困難症を契機に発見され,腹腔鏡下に治療し得た非交通性副角子宮の1例
吉田 有里, 西 弥生, 品川 寿弥, 舘岡 佐知, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科
非交通性副角子宮を伴う単角子宮は子宮奇形の中でも比較的稀である.今回我々は,月経困難症を契機に発見され,腹腔鏡下手術で治療し得た非交通性副角子宮の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は24歳,1回経妊未経産.初経は18歳,23歳頃から月経時疼痛が強く,月経困難症の診断で近医にてNSAIDs投与をうけていたが,症状の増悪を認めたため当科受診となった.当院初診時,血液検査では異常所見は認められなかったが,超音波検査にて子宮左側に3.2cm大のmassが認められた.その後の精査により,子宮留血腫を伴う非交通性左副角子宮と診断,同時に左腎尿管の欠損も確認された.左副角子宮の子宮留血腫が月経困難症の原因と考え,左副角子宮摘出術を行うこととなった.手術は,逆流血による骨盤内癒着の可能性を考慮し,気腹式による腹腔鏡下手術を選択した.術中所見は,左副角子宮と右子宮の繊維性索状組織による連絡を認め,両側卵巣・卵管は正常であった.また,左副角子宮の背側には子宮内膜症による漿液性嚢胞とブルーベリースポットが認められ,r-ASRM分類で6点(軽症)であった.左副角子宮を摘出したところ,内膜組織を伴っていたが右子宮との交通路は認められなかった.術後経過は良好であり,術後4日目に退院とした.現在症状は軽快しており,外来にてフォローアップ中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
194-194, 2005
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