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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
腹腔鏡
卵巣嚢胞腺腫と術前診断し,腹腔鏡下手術を施行した先天性巨大尿管症の1例


桜井 明弘, 白井 洋平, 時田 佐智子, 佐藤 佐和子, 鈴木 千賀子, 湯原 千治, 鈴木 正明
賛育会病院産婦人科


 先天性巨大尿管症は,尿管閉塞による尿流の停滞と逆流から,尿路感染や腎不全を来す疾患である.左下腹痛と腰痛を主訴とし,左卵巣嚢胞腺腫と術前診断し腹腔鏡下手術を施行した先天性巨大尿管症の1例を報告する.症例は54歳,3経産.1年前より持続する左下腹痛と腰痛を主訴に来院した.経腟超音波断層法で左付属器にやや楕円状の55×28mmの内部低エコーの嚢胞状腫瘤を認めた.右卵巣と子宮は正常に描出された.腫瘍マーカーは,CA125,19-9,72-4がそれぞれ16.6,17,3.0以下U/mlと正常であった.MRIで左付属器領域にT1,T2でそれぞれ低,高信号を呈する,多房性の腫瘤像として描出された.左卵巣嚢胞腺腫と診断,卵管留水腫も念頭に腹腔鏡下付属器切除術の方針とした.腹腔鏡では,左後腹膜下に嚢胞状の腫瘤が透見された.同腫瘤に沿って後腹膜を展開し,骨盤漏斗靱帯と子宮動脈の間に怒張,蛇行した尿管が確認されたため,先天性巨大尿管症と診断,症状を軽減する目的に水尿管に対して,尿管ステントを留置して手術を終了した.術後に10年前に他院で,水尿管症を指摘され,精査したものの機能異常が認められなかったため,フォローアップを終了されていたことが判明した.また術後DIPで,ステントによる水尿管症の状態が改善されず,違和感が出現したため,ステントを抜去,その後症状の増悪もなく外来で経過観察している.卵巣腫瘍の診断の際には,近接する卵管や尿管の異常も念頭に置き,本症例のように既に診断されていたにもかかわらず,患者自身の病識が欠如していることもあるため,詳細な病歴の聴取が重要であると改めて認識された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 196-196, 2005


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