|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩5 母体心房頻拍発作に対しカテーテルアブレーションを施行した一症例
瀬山 真智子, 松田 義雄, 牧野 康男, 梅崎 泉, 川道 弥生, 秋澤 淑香, 小野 恵里奈, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科
妊娠中に発症した心房頻拍発作で,急速に心不全に至った場合は,母児共に非常に危険である.今回我々は,妊娠27週にて突然発症した薬物抵抗性の心房頻拍発作に対しカテーテルアブレーションを施行した症例を経験したので報告する.[症例]34歳.0G0P.母体に心疾患の既往はなく,家族歴も特記すべきことはなかった.近医にて妊婦健診を施行しており,経過も順調であった.ところが妊娠25週頃より動悸,全身倦怠感を自覚し,妊娠27週5日症状増悪のため他院へ搬送となった.心房頻拍発作と診断され,ATP,プロカインアミド,ジゴキシンによる薬物治療を行ったが,頻拍発作は改善せず心機能の低下が認められたため,当院へ緊急母体搬送となった.入院時の母体心拍数は220/分であり心房性の頻拍症を認め,血圧低下および呼吸困難も併発・増悪したため,緊急カテーテルアブレーションを施行したところ,施行直後に症状が改善した.4病日には両側胸水も消失,10病日にCTRも63%から52%へと正常化した.心機能も改善し,その後は頻拍発作も見られず経過したが,妊娠40週2日分娩停止のため帝王切開にて3372gの男児を出産した.今回,母体心房頻拍発作に対しカテーテルアブレーション治療が効を奏した症例を経験した.アブレーション前後を通じてnon-reassuring fetal statusは見られず,fetal well-beingも良好であった.難治性(薬物抵抗性の)不整脈に対する治療法と妊娠中のカテーテルアブレーション治療の適応と問題点等について考察する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
198-198, 2005
|