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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩5 母児共に救命し得た高齢妊娠 妊娠23週に心不全を発症した56才妊婦を経験して
松村 好克, 里見 操緒, 朝倉 禎史, 川瀬 里衣子, 五十嵐 健治, 渡辺 美千明, 鴨井 青龍, 河村 堯
日本医大千葉北総病院産科女性診療科産婦人科
高齢の妊娠は母体,胎児双方にとってハイリスクであり,厳重な管理が要求される.今回我々は高齢で自然妊娠し,妊娠経過において肺水腫,心不全となり緊急帝王切開となった症例を経験したので報告する.症例は56歳,1回経妊1回経産.既往歴,家族歴は特記事項なし.近医にて妊婦検診の際に高血圧・蛋白尿を指摘されていた.妊娠21週頃より軽度の呼吸困難出現していた.妊娠23週3日,呼吸困難悪化し同医院を受診,当院へ母体搬送となった.来院時,起座呼吸となり血圧210/128,尿蛋白3+,全身に強度の浮腫を認めた.胸部レントゲン写真では両側肺うっ血,胸水の貯留を認めた.重症妊娠中毒症による肺水腫・心不全と診断し妊娠継続不可と判断し全身麻酔下での緊急帝王切開となった.児は765g,アプガースコア1分値2点.出生後直ちに蘇生しNICUのある施設へ新生児搬送となった.母体は術後抜管せずにそのままICU入室,人工呼吸器管理となった.GTN,HANP,利尿剤にて利尿得られ肺うっ血改善し呼吸状態も徐々に改善したため術後3目に抜管,術後5日目には一般病棟へ転室となった.薬物療法にて心不全は徐々に軽快.心エコー,心電図上基礎疾患としてICMも疑われたが冠動脈造影では明らかな所見はなし.術後21日目,全身状態改善のため退院となる.今回の症例に基づいて若干の考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
199-199, 2005
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