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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩6 フォーレーカテーテルを併用した,陣痛誘発成功のための条件
藤田 聡子, 秋谷 文, 鈴木 麻水, 真島 洋子, 渡辺 浩二, 酒見 智子, 塩田 恭子, 斉藤 理恵, 木村 俊夫, 板坂 俊典, 栗下 昌弘, 佐藤 孝道
聖路加国際病院産婦人科
【目的】子宮頚管が成熟していない場合の陣痛誘発には苦慮する.当院では頚管熟化の目的でFoley catheter(FC)を挿入しオキシトシンによる誘発をおこなっているが,分娩が難航する症例も多い.今回の研究の目的はFC挿入前に頚管長の測定を行い,誘発の成功が予測できるか否かを検討することである.【方法】対象は2001年10月から2005年2月までに頚管熟化目的にFCを挿入した65症例(未産婦60例,経産婦5例).FC挿入前に経膣エコーを行い頚管長を測定した.その後オキシトシンによる誘発を行い,FC抜去時のbishop scoreを記録した.経膣分娩に到った群(VD群)と帝王切開に到った群(CS群)にわけて,FC挿入時の頚管長,母体年齢,児体重について比較検討した.統計学的検討にはt検定を用いた.【成績】1)VD群は48例(73.4%),CS群は17例(26%)であった.陣痛誘発の適応は予定日超過32例(48%),PROM16例(24%),羊水過少10例(15%),妊娠中毒症3例,胎児心拍異常2例であった.2)平均年齢はVD群33.4±4.4歳,CS群は34.8±4.9歳.頚管長はVD群:27±8.4mm,CS群:27±6.9mm.児体重はVD群:3306±463g,CS群:3081±403gであった.以上の項目ではいずれも有意差を認めなかった.3)FC挿入時の妊娠週数は,VD群で39.8±1.6週,CS群で41±0.6週で有意差を認めた(P=0.004).4)FC挿入時に3症例で高度変動一過性徐脈を認めた.3症例とも翌日にFC挿入せずに誘発をおこない2症例は帝王切開,1症例は経膣分娩に到っている.【結論】FC挿入を併用した陣痛誘発において,誘発前の頸管長は,誘発が成功か不成功かを予測する指標とはならないことが明らかになった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
201-201, 2005
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