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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩7 妊婦の喫煙に対する産科担当医師の認識および対応の現状調査
中村 靖, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科
[目的]妊婦の喫煙率が上昇傾向にある現状において,妊婦の診療をおこなっている産科医師がどのような考えをもち,どのように対処しているかの現状を把握し,問題点を探る.[方法]首都圏の産科医師を対象に,2度にわたるアンケート調査(第1回調査:平成16年2月,第2回調査:同7月)をおこなった.回答の得られた79(第1回18,第2回61)施設の218(69,149)人のデータを集計した.[結果]回答者の構成は,男性142人,女性61人,性別不明15人であり,現在喫煙率は25.7%(男性32.4%,女性13.1%)であった.妊婦に対していつ喫煙状況の確認をおこなっているかとの問いに対し,病状に応じておこなうという者が49人(22.5%),おこなっていないという者が27人(12.4%)おり,妊婦に対してルーチンに喫煙の有無を確認していないものが34.9%に上ることが判明した.妊婦に対する指導法に関しては,すぐにやめるように指導しているものは約25%であり,「できればやめようね」と言うなどの消極的な対応をする者が約3割を占め,3割弱の医師が漸減するように勧めていた.多くの医師が結局は本人の意志の問題と捉えていた.また,喫煙が妊娠に及ぼす影響について列挙してもらったところ,ほとんどの医師が胎児発育遅延を記載した反面,SIDSなどの問題点を記載した医師は約15%にとどまった.[結論]妊婦の喫煙に対する産科医師の関心の低さ,とくに禁煙に導くことを治療の一貫と捉える視点の欠如が浮き彫りとなった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
202-202, 2005
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