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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩8
分娩時に子宮出血をきたし,新生児仮死を呈したBreus’moleの一例


深谷 暁, 川島 秀明, 矢野 ともね, 木下 俊彦, 伊藤 元博
東邦大学付属佐倉病院産婦人科


 Breus’moleは胎盤胎児側の絨毛膜板の直下に生じる巨大血腫であり,2000分娩に1例と比較的稀な疾患である.子宮内胎児発育遅延や胎児死亡をきたす頻度が高く,児の予後が不良であることが多い.今回われわれは分娩時に出血とnon reassuring fetal stateから常位胎盤早期剥離と診断したところBreus’moleであった1例を経験したので報告する.患者は32歳,0経産.妊娠経過中に胎盤の肥厚を認めていたが,超音波検査上血腫の存在を認識できなかった.高血圧,蛋白尿も認めず,BPSも正常であったため経過を観察していた.妊娠39週2日に突然の下腹部痛と中等量の出血を訴えた.陣痛間欠時にも子宮に著明な圧痛を認め,胎児心拍数図上もaccelerationとvariabilityの消失,late decelerationの頻発があったことから常位胎盤早期剥離,non reassuring fetal stateと診断し,緊急帝王切開を行った.子宮壁はうっ血しており臨床的には常位胎盤早期剥離に一致すると考えられたが,病理学的には胎盤には巨大な絨毛膜下血腫がみられ,その周囲には血腫の圧迫による虚血性変化や梗塞性変化を伴っていたためBreus’moleと診断した.絨毛膜下血腫には器質化と考えられる白黄色化した部分も広くみられた.病理学的には常位胎盤早期剥離に一致する所見はなかった.児は2186g,Apgar3点(UA pH 7.04)であったが,蘇生後は順調に経過した.母体の術後経過も順調であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 206-206, 2005


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