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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮体癌1 術前診断困難だった子宮体癌の一例
秦 奈峰子, 古堅 善亮, 村岡 友美子, 島 絵美里, 幡 亮人, 幡 優子, 三橋 直樹
順天堂大学附属静岡病院産婦人科
我々は,術前の子宮内膜生検で確定診断できなかった子宮体癌の一例を経験したので報告する. 症例は63歳,女性.2経妊,2経産.骨粗鬆症のため近医でエストリオールを内服していた.不正出血などの症状はなかった.内服開始から約6ヶ月後の子宮内膜細胞診で異常を指摘され,内服中止の上,精査目的で当科紹介受診. 当科初診時,内診で径4cm大の左卵巣嚢腫を触知する他に,異常を認めなかった.経膣超音g検査では著明な子宮内膜肥厚はなく,左卵巣嚢腫像を認めた.初診時,子宮頸部および子宮内膜細胞診で異常を認めなかったが,1ヶ月後の子宮内膜細胞診ではclassIIIだった.静脈麻酔下に子宮内膜全面掻爬術を施行したところ,異型腺管を認めるのみで明らかな悪性所見はなかった.骨盤MRIおよびCTでは,左卵巣に一部充実性部分を伴う嚢胞性腫瘤像を認め,他に異常を認めなかった.腫瘍マーカーのCA125,CA19-9は基準値以下であった. 左卵巣腫瘍および子宮内膜異型増殖症あるいは極初期の子宮体癌を疑い,腹式単純子宮全摘術と両側付属器切除術を施行した.病理検査で子宮は類内膜腺癌G1,筋層浸潤1/2以上であり,子宮体癌Ic期と診断した.左卵巣は粘液性腺線維腫であった.術後より化学療法(ドセタキセル+カルボプラチン)を施行している.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
209-209, 2005
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