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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮体癌1 初回治療10年後に再発を来した子宮体癌の1例
中尾 美木, 袖本 武男, 永松 健, 橋本 耕一, 星野 寛美, 斉藤 一夫, 香川 秀之
関東労災病院産婦人科
今回,初回治療後10年の経過を経て再発した子宮体癌の1例を経験したので報告する.症例は71歳,未経妊,閉経49歳.60歳時に子宮体癌IIIa期[Adenosquamous carcinoma,G1]にて,腹式単純子宮全摘術および両側附属器切除術を施行,術後化学療法を2コース施行した.その後外来にて経過観察していたが,術後3年で受診中断していた.術後10年経過後,左下肢浮腫を主訴に近医受診.腹部CTにて骨盤左側にφ10cmの腫瘍を認め,左卵巣腫瘍疑いで平成16年7月30日当科を紹介受診した.超音波およびMRIにて左下腹部にφ10cmの一部充実性の嚢胞性腫瘍を認めた.CA19-9 551.0U/ml,CA125 28.7U/mlと上昇を認め,子宮体癌再発が疑われた.平成16年9月21日腫瘍摘出術を施行した.左腹壁腹直筋直下に手拳大の嚢胞性腫瘍を認め,腫瘍の一部は腹腔に露出し小腸・骨盤腹膜が癒着していた.嚢胞壁および腫瘍内容(壊死部分)を摘出したが,一部遺残した.摘出物の病理検査にて子宮体癌再発と診断され,後療法として放射線療法(骨盤部50Gy)およびTJ療法を開始した.術後,腫瘍は術前の大きさまで急速に増大し,CA19-9 864.0U/ml,CA125 49.2U/mlと上昇を認めた.遠隔転移の可能性も考慮し検索したが明らかな転移は認められなかった.その後も腫瘍の大きさは術前と不変であるが,腫瘍マーカーは徐々に低下しており現在治療継続中である.今回の症例を通じて,晩期再発の可能性を念頭に置いた長期間のフォローアップの重要性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
210-210, 2005
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