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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮体癌1 再発子宮体癌(類内膜腺癌grade3)に対しDJ療法が著効した一例
仲村 勝, 倉橋 崇, 村上 功, 田中 京子, 小宮山 慎一, 鄭 智誠, 三上 幹男
国立病院機構埼玉病院産婦人科
再発子宮体癌症例は一般に治療抵抗性であり類内膜腺癌grade3は予後不良といわれている.多くの場合,化学療法が選択されているがその効果は約30〜60%といわれており,有効な治療法は確立されていないのが現状である.われわれは,DJ療法が著効した一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は52歳,3妊3産.既往歴および家族歴に特記すべき事項はない.平成15年9月に広汎子宮全摘出術,両側付属器切除術,傍大動脈リンパ節郭清術を施行した.術後診断は,子宮体癌stage2b(pT2bN0M0),類内膜腺癌grade3であった.術後補助療法として,CAP療法(CPA 500mg/body,THP-ADM 50mg/m2,CDDP 50mg/m2)を計5コース施行した後,外来にて経過観察とした.手術後13ヶ月経過した平成16年10月に腫瘍マーカー値の上昇および,CTにて肝腫瘍,腟断端腫瘍,腹腔内腫瘍をみとめたために子宮体癌の再発と診断した.当院倫理委員会の承認を得た後,患者本人および家族への説明と同意を得た上で,DJ療法(Docetaxel 60mg/m2,Carboplatin AUC6)を計5コース施行した.その結果,現在までに腫瘍マーカー値の減少およびCTにてPRをみとめている.副作用として,grade3以上の血液毒性は白血球減少および好中球減少であり,grade2以上の非血液毒性はみとめなかった.現在もDJ療法を継続中である.近年Taxane系薬剤の子宮体癌に対しての高い奏効率が報告されているが,今後DJ療法が再発子宮体癌に対して考慮されうるレジメンと考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
211-211, 2005
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