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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮体癌2 MPA療法による子宮温存が可能となった若年性子宮体癌の4症例
松永 竜也, 田村 正明, 小平 博, 今井 一夫
横須賀市立市民病院産婦人科
エストロゲン持続刺激やPCO症候群,肥満などと関連し,子宮内膜異型増殖症から癌へと変化するタイプは,高分化型で筋層浸潤が少なく,予後が良いとされる.しかし,若年女性に多い為,妊孕性維持を希望する場合もあり,症例によって子宮温存を目的としたホルモン療法が行われる.治療後癌細胞の消失が確認できた場合,妊娠を目的とした排卵を有する月経周期をもたらすことが再発の予防にもなることから,不妊治療を行う.治療が奏功し,妊娠・生児を得た後,温存療法継続や第2子を希望しない場合の子宮摘出の是非など患者各々で異なると考える.当院で経験したMPA療法により子宮温存が可能となった若年性子宮体癌の4例は,治療開始から5年以上経過しており,一定の評価ができると考え,温存療法の管理方針や子宮温存の限界,摘出時期などについて,検討を加えた.症例は,初診時年齢26〜36歳,組織型はendometrial adenocarcinoma stage 1a,G1 3例・atypical hyperplasia complex stage 0 1例であり,adenocarcinomaの1例には化学療法+MAP,残りの3例はMAP療法を行った.生検でCRを確認した後不妊治療を開始し,3例はhMG-hCG療法,1例はclomid療法にて全例妊娠に至り,分娩した.分娩後の経過は,検診にて1例がendometrial adenocarcinoma,1例がatypical hyperplasia complexが検出されたため,子宮摘出に至った.残りの2例は,子宮温存し外来フォロー中であり,1例は第2子も得ているが,特に再発を認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
212-212, 2005
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