|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠2 当院における卵管間質部妊娠に対する腹腔鏡下手術の検討
太田 邦明, 前村 俊満, 浅川 恭行, 内出 一郎, 豊泉 孝夫, 渡辺 慎一郎, 渋井 幸裕, 間崎 和夫, 森田 峰人, 久保 春海
東邦大学産婦人科
当科では,卵管間質部妊娠と診断された症例に対して腹腔鏡下手術を積極的に内視鏡治療を導入してきた.今回,1993年から2004年までに当科で行った9症例の卵管間質部妊娠に対する腹腔鏡下手術の検討を行った.患者平均年齢は30歳(24歳〜40歳),平均妊娠週数は7週4日(6〜11週),術前の平均尿中hCG26.104IU/l(1,370〜109,500IU/l)であった.施行術式は,1例目は胎児心拍(+)で,腫瘤径が約2cm程度と小さく卵管切開術を施行したが外妊存続症となりMTX全身投与を追加した.以後,胎児心拍(−),腫瘤径が小さいものは卵管切開術+MTX局注法を施行し,胎児心拍(+),腫瘤径が大きいものは卵管角切除術を行った.平均手術時間107分(95分〜120分),術中出血等で輸血を必要とする症例はなかった.卵管切開術は,バソプレシンを局注後に鋏鉗子で卵管を切開し内容を除去,切開部を合成吸収糸で縫合した.卵管角切除術は,バソプレシンを局注後にバイポーラと鋏鉗子や超音波凝固切開装置を用いて切除し,切除部を合成吸収糸で縫合した.尿中hCG値の正常化に要した日数は,平均18.6日(10〜35日)であった.その後,2症例で妊娠,分娩となり,1例は2回経腟分娩し,1例は帝王切開術によって生児を得た.間質部妊娠に対しても,バイポーラ,超音波切開凝固装置を使用し,腹腔内での縫合技術が充分であれば,卵管間質部妊娠の治療において他の卵管妊娠と同様,安全に腹腔鏡下で施行可能と考えられた.また,症例数は少ないものの卵管角切除術でも2症例で妊娠・分娩しており妊孕能温存を図ることが可能であると考られた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
222-222, 2005
|