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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
子宮内膜症
嚢胞性子宮腺筋症の病理学的特徴と発生機序に関する検討


北野 孝満1), 武内 裕之1), 松本 俊治2), 須田 耕一2), 木下 勝之1)
順天堂大学産婦人科1), 順天堂大学病理学第一2)


 【目的】嚢胞性子宮腺筋症(CA:cystic adenomyoma)は超音波検査やMRIで子宮筋層内に血液を貯留する嚢胞性病変として描出され,形態上は卵巣チョコレート嚢胞に類似する病変であるが,その発生機序については不明な点が多い.CAを子宮腺筋症と比較することによりその病理学的特徴や発生機序について検討する.【方法】症例は腹腔鏡下に腫瘤摘出術を行ったCA4例と,子宮腺筋症の診断で単純子宮全摘術を施行した32例のうち組織標本内に5mm以上の小嚢胞形成する拡張腺管を認めた3例で,それぞれの病変部を中心に病理学的に検討した.またエストロゲンレセプター(ER),プロゲステロンレセプター(PR),Ki67の免疫組織学的染色を行いその発現を評価検討した.【結果】CAは全例とも腫瘤は子宮底部に存在し,腫瘤の内腔にはチョコレート様の血液の貯留が認められた.組織学的に内面には子宮内膜類似組織の被覆がみられ,その周囲には不規則に肥厚や交錯をする平滑筋層の過形成が見られた.内面の内膜類似組織の上皮や間質は剥離や菲薄化,浮腫状変化など様々な形態を認めた.また腫瘤の周囲筋層内には腺筋症の所見も認められた.対照の腺筋症拡張腺管では筋層の不規則な肥厚は見られず,内膜間質は薄く引き伸ばされる様な所見を示した.ER・PR・Ki67の発現はCAと腺筋症拡張腺管ともにほぼ同様の所見を示した.【結論】CAでは嚢胞周囲に平滑筋の過形成が見られ,内腔を被覆する内膜類似組織が多様性を示すことが特徴であった.しかし腺筋症拡張腺管との免疫組織学的染色に差異はなく,子宮腺筋症類似の病態が想定されその亜系病変の可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 227-227, 2005


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