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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
新しい医療形態 当院における産科セミオープンシステムの現状について
多和田 哲雄, 飯田 信, 的野 博, 王 恒伊, 上山 和也
国際親善総合病院産婦人科
当院は平成2年の開院以来15年間産科セミオープンシステムを運営してきた.システムの目的は1.地域における周産期医療レベルの向上,2.病院勤務医,開業医,妊婦(患者)の3者にメリットがある病診連携の実現,3.産婦人科オフィスクリニックの支援,である.現在連携開業医(関連医)は13名.全員外来のみの開業医で病院から10km以内に分布している.関連医は病院と同じ内容,スケジュールで妊婦健診を行い,妊娠20週,34週は病院健診とする.診療方針は病院側が決定するが,関連医は希望すれば分娩,手術に参加できる.年5回,病院医師と関連医の定期的会合(関連医会)が開かれ妊婦健診内容,診療方針について協議し,コンセンサスを得ている.分娩数,セミオープン紹介率は年々増加し平成16年は分娩数1116,紹介率62.3%であった.また院内とセミオープン紹介妊婦の緊急帝切率,早産率に差はなく妊娠分娩管理の質は同等であった.妊婦は最寄りの開業医で健診を受けることができるので通院しやすく,複数の医師が診察するので見逃しが少なくまた異常時はすぐに入院管理できるなどの利点があり,分娩後のアンケート調査では8割以上の賛同が得られている.関連医には紹介患者が必ず戻され,逆紹介も期待できること,入院設備がなくても産科診療ができるので新規開業がしやすいなどのメリットがある.また病院勤務医にとっては産科外来を省力化できること,開業医をマンパワーとして活用できることは大きなメリットとなっている.逆紹介を増やすことによりさらにセミオープン紹介率を上げること,電子カルテやインターネット通信を利用したカルテの共有化などが今後の課題である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
229-229, 2005
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