 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 先天性肺動脈弁欠損症は，肺動脈弁の欠損により右心室血流の増加とそれに伴う肺動脈基部拡張所見を呈する，予後不良な疾患である．今回我々は，胎児超音波検査により，心室中隔欠損症および大血管転移症が疑われ，出生後更に肺動脈弁欠損症の合併が明らかになった1症例を経験したのでここに報告する．症例は30歳，既往歴・家族歴に特記すべきことなし．【妊娠分娩歴】2回経妊0回経産【現病歴】最終月経平成15年2月23日より妊娠．妊娠30週，子宮内胎児発育遅延にて当院紹介受診し9月28日入院管理となった．【胎児超音波検査】児推定体重1180gで対称性の発育遅延認めた．心臓所見では，CTAR44.5％と心肥大，上室性と思われる発作性の3段脈を呈した．構造では，Large VSDおよび評価困難な心房レベルでの心房境界不明瞭な腔の拡張所見認めた．【経過】9月29日，小児循環器科合同にて胎児超音波再施行．Large VSD，総動脈管症あるいは，両大血管右室起始症の疑いと診断された．10月20日羊水染色体検査にて，46XY，t（4;9）（q28;q16）であった．同31日胎児心不全徴候を認め選択的帝王切開分娩となった．【新生児経過】出生時体重1826g，Apgar score 5（1分後）/5（5分後），チアノーゼ呈し，吸引，マスクバギングにて改善なく3分後に気管挿管し，NICU収容となった．出生後の超音波検査にて，肺動脈弁欠損が判明し，心臓カテーテル検査にて，肺動脈弁欠損，大血管転移症，心室中隔欠損症と最終診断した．児染色体検査再検では46XY，t（4;9）（q27;q13）であった．平成16年4月23日，心臓手術目的にて他院へ転院となった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 235-235, 2005 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |