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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
胎児異常2 当科における三次元超音波特殊外来の現状
丸茂 元三, 森田 豊, 上田 万莉, 中村 弘治, 牛島 順子, 疋田 裕美, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
当科においては,平成15年9月に三次元超音波特殊外来を設立して以来,平成16年12月までの間に,1320名の妊婦に胎児のリアルタイムの三次元動画を提供してきた.今回,我々は,この外来について概説を試みるとともに,本特殊外来がもたらす妊婦および家族への影響について,アンケート調査などを元に解析を行った. 本特殊外来では,一人の妊婦に対して約30分間をかけて胎児の三次元動画を撮影し,DVDもしくはビデオに収録したものを,妊婦の自宅に持参してもらうというサービスを行っている.胎位の関係で,30分の間に満足できる映像が撮影できなかった15%の妊婦に対しては,後日,無料で再検することにしている.これまで,胎児の微笑み,舌をだすしぐさ,まばたき,燕下運動,手の細かい動きなど,詳細で鮮明な映像が得られ,妊婦およびその家族から好評を得ている.アンケートが可能であった55名からの調査結果としては,赤ちゃんが順調に成長していることがわかり安心した93%,夫が父親になる自覚ができた85%,出産が待ち遠しい気持ちになった81%などであった.中には,出産前のお腹のなかにいるうちから,家族の一員になっているような気がしたとの印象をうけた妊婦もいた. 胎児のリアルタイムの三次元動画の提供により,妊娠中からの胎児との視覚的なふれあいが,出産直後の児への愛情に対しよい影響を及ぼすと考えられた.本特殊外来が,妊婦のみならず,家族全員の胎児に対する愛情を深める要素の一助となれば幸いである.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
236-236, 2005
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