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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮頸癌1 当院における子宮頚部初期病変合併妊娠の検討
奥津 由記, 小林 陽一, 新橋 成直子, 大原 樹, 奥田 順子, 大熊 克彰, 水原 浩, 飯田 智博, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科
子宮頚癌は妊娠に合併する悪性腫瘍の中で最も頻度が高いが,診断時期や患者の希望などによりその治療方針は様々である.当院では子宮頚部初期病変合併妊娠に対しては十分なインフォームドコンセントの元,原則的に妊娠中には円錐切除(以下円切)せず分娩後に行う方針をとってきた.そこで今回はその妥当性を確認することを目的として検討を行った.【対象・方法】1996年9月から2002年12月までに当院で経験した高度異形成以上の子宮頚部初期病変合併妊娠30例を対象とし,妊娠中の組織診断および円切後の組織診断,分娩様式,予後について後方視的に検討した.【成績】30例中分娩後に円切を施行した症例は26例であり,その分娩様式は自然分娩が17例,帝王切開(以下帝切)が9例(産科的適応5例,子宮頚部病変のための選択的帝切4例)であった.妊娠中の組織診断の最高病変は,高度異形成7例,CIS 16例,MIC 3例であった.円切後の病理診断は,高度異形成7例中1例がCIS,CIS 16例中2例がIa1期であり,MICであった3例はいずれも術後診断はIa1期以下であった.最終診断がIa1期であった症例においては,全例で脈管侵襲を認めず現在のところ再発を認めていない.【結論】分娩後に円切を施行した26例中,妊娠中の組織診断がunderdiagnosisであった症例は4例(11.5%)であったが,Ia2以上の症例は認められなかった.以上のことから,妊娠中の子宮頚癌初期病変については,確実な細胞診,コルポ診および生検による診断と妊娠中の厳重な管理により,適応症例を十分に検討すれば分娩後の待機的円切で充分対処できる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
241-241, 2005
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