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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮頸癌2 子宮頸部原発悪性リンパ腫(MALT lymphoma)の1例
岡本 三四郎, 工藤 一弥, 佐々木 直樹, 藤井 和之, 高野 政志, 喜多 恒和, 古谷 健一, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科
子宮原発の悪性リンパ腫の頻度は,悪性リンパ腫全体の約0.1%程度であり,節外性リンパ腫の約0.5%程度と稀である.また腫瘍が非上皮性であり術前に診断することは困難なことが多い.今回我々は,子宮頸部より発育するポリープ切除により,子宮頸部原発悪性リンパ腫を強く疑い,術前より診断しえた症例を経験したので文献的考察を含めて報告する.症例は,43歳.2経妊2経産.不正性器出血で近医を受診し,子宮頸部に発育する易出血性のポリープが認められ,当科紹介受診.子宮頸癌を疑いポリープの一部切除を施行した.MRI・CT検査では多発する子宮筋腫を認めた.頸管・内膜細胞診はClassIであったが,頚管ポリープの生検では頚管上皮に被覆された組織に,密な炎症細胞浸潤も認め,形質細胞が主体を成しているが,少数のリンパ球や好中球も認められ,異型を示す芽球様の細胞も点在し浸潤していた.子宮頸部原発悪性リンパ腫を強く疑い,Gaシンチにて精査するも炎症は子宮頸部に限局していたため,informed choiceにより,腹式単純子宮全摘術+両付属器切除術を施行することとなった.病理診断は子宮頸部原発のlow-gradeB-cell MALT lymphoma with prominent plasmacytoid differentiationであった.術後血液内科と併診し,現在再発兆候認めず経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
241-241, 2005
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