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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
子宮頸癌2
子宮頸部円錐切除術後に局所からの出血を繰り返したKlippel-Trenaunay-Weber症候群の一例


長塚 正晃1), 柴田 哲生1), 齋藤 佳実1), 森岡 幹1), 大久保 和俊1), 木村 武彦1), 岡井 崇1), 本間 進2), 長谷川 明俊2), 大塚 純子2), 横山 和彦2), 齋藤 裕2)
昭和大学産婦人科1), 昭和大学藤が丘病院産婦人科2)


Klippel-Trenaunay-Weber症候群は血管腫,静脈瘤,骨・軟部組織の肥大を三徴候とする疾患であるが,創傷治癒が遅いことが知られている.今回子宮腟部円錐切除術後に局所からの出血を繰り返し,止血に苦慮した症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は40歳の0回経妊0回経産婦.月経周期30日型,月経時障害なし.Klippel-Trenaunay-Weber症候群にて小児期より経過観察されていた.凝固機能は血小板12.6万,Fib 53mg/dl,PT42.8%,APTT63.8秒と低下していたが,出血傾向は認めなかった.子宮頸部細胞診クラスIIIb,コルポスコープは不適例であり,頸管組織診で高度異形成が疑われたため,平成16年8月16日子宮腟部円錐切除術が行われた.術後4病日に子宮腟部から出血し,以後11回出血を反復し止血処置を行うも止血できず,平成16年10月4日当科搬送入院となった.来院時内診では縫合止血を繰り返した腟壁の下端から出血していた.血小板5万,Fib<50mg/dl,PT27%,APTT>100秒でDICスコアは12点であった.出血は創傷治癒遅延と凝固機能の低下が原因であると判断し,止血縫合は選択せず創傷治癒を促すため人工真皮を使用し,抗凝固療法,FFPの補充療法を行った.10月11日,30日と多量出血をきたしたが,10月30日以後は子宮腟部,腟壁の創の治癒に伴い,出血は認められなくなった.本症例のように術前に出血傾向がなくても,凝固因子が低下している症例の手術においては術後出血をきたした場合の止血方法についても術前に十分に検討したうえで手術決定する必要があると考えた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 242-242, 2005


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