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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
その他の悪性腫瘍5 鑑別に苦慮した後腹膜神経腫瘍の一例
神代 優子, 難波 聡, 小山 哲, 関根 靖子, 岩瀬 春子, 是澤 光彦
東京都教職員互助会三楽病院産婦人科
神経鞘腫は,末梢神経のSchwann細胞より発生する外胚葉系の神経原性腫瘍で,後腹膜に原発するものは比較的稀である.腫瘍が小さいうちは無症状のことが多く,長期経過に伴った二次的変化により,嚢胞形成や腫瘍内部出血などの変性所見を示しやすくなるため,後腹膜腔に発生した場合,画像上変性筋腫や卵巣嚢腫との鑑別がより困難となることが多い.今回我々は卵巣嚢腫の診断にて開腹したところ,仙骨に癒着した後腹膜神経腫瘍であった症例を経験したので報告する.症例は28歳1回経妊1回経産.平成13年の妊娠中に,経膣超音波にて子宮左側に5cm大の子宮筋腫を指摘されていたが,分娩後は放置していた.平成16年8月下腹痛を主訴に他院外科受診.左卵巣嚢腫を指摘され当科紹介となった.内診上,子宮後方左側に鵞卵大で硬い腫瘍を触知した.圧痛は軽度で可動性は不良.経膣超音波では,内部に嚢胞性部分を含む充実性の9cm大の腫瘍を認めた.腫瘍に接して卵巣を認めたため,当初有茎性子宮筋腫を疑った.しかしMRI上,子宮筋腫とは信号強度が異なるため,左卵巣嚢腫と診断した.腫瘍マーカーは全て正常であった.同年12月,左卵巣嚢腫の診断にて開腹術を施行.開腹時,子宮及び両側付属器は正常であった.子宮上方やや左側に,仙骨に強固癒着する境界明瞭な後腹膜腫瘍を認め,これを摘出した.永久病理結果は,Antoni A型,B型の混在する神経鞘腫であった.メラニンを含む細胞がわずかに存在し,S100とHMB45陽性であったが,悪性所見は認めなかった.術後経過は良好だが,良性でも再発の報告があるため,現在も慎重に外来経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
243-243, 2005
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