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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
その他の悪性腫瘍5 腹膜偽粘液腫の腹腔内粘液の排出のための一方法
小口 治, 塚原 みほ子, 長田 久美, 仲井 育子
長野県厚生連佐久総合病院産婦人科
腹膜偽粘液腫は,反復する腹腔内の粘液貯留により消化管機能が障害され,悪液質に陥る予後の不良な疾患です.卵巣癌のように漿液性の腹水であれば,腹水穿刺を行い病棟で簡便に腹水除去を行うことができますが,腹膜偽粘液腫の場合には粘性が高く全く排出できません.開腹して粘液を排出し,デキストランなどで再発の予防を行う試みがなされていますが,満足な結果は示されていないようです.われわれは,腹膜偽粘液腫症例に対し本人と御家族の同意を得て,22Frの胸腔穿刺用のトロッカーカテーテルを用い,腹腔内の粘液排出を試みました.その結果,病棟で局所麻酔下に十分な排液を短時間に行うことが可能でした.入院期間も短く安全でしかも繰り返し行うことができることも判明しました. 82歳の腹膜偽粘液腫の症例.3年以上にわたり粘液をトロッカーカテーテルを用いる排液方法を20回近く繰り返し,10年近い長期経過を在宅療養を中心にとることができました.本症例に行った排液方法と排出中の全身状態の変化について報告します.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
244-244, 2005
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