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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
その他の悪性腫瘍5 Pseudo−Meigs症候群をきたした卵管癌の一例
國井 優衣子, 野島 美知夫, 宮国 泰香, 杉山 真理子, 小林 優子, 中村 貴則, 田口 雄史, 池田 申之, 坂本 愛子, 吉田 幸洋
順天堂大学附属順天堂浦安病院産婦人科
Meigs症候群は良性充実性卵巣腫瘍に胸・腹水を伴い,腫瘍の摘出によってそれらが消失する症候群である.また,悪性腫瘍にも同様の事が生じる場合があり,それはpseudo-Meigs症候群として区別されることが多い.今回我々は,卵管低分化型腺癌によって同症候群を呈した稀な1例を経験したので報告する.症例は42歳,2経妊2経産.持続する咳嗽を主訴に前医内科受診.胸部X線写真にて左側優位の胸水を認め,入院となった.胸部CTにて肺内及び胸膜病変は認めず,また胸水は滲出性,血性であったが中皮細胞の増生のみで悪性細胞は検出されなかった.胸水中CA125(3332U/ml),血清中CA125(1071U/ml),SLX(64.0U/ml)は高値を示した.骨盤MRIにて骨盤腔内に8cm大の腫瘤及び腹水を認めた.以上より,卵巣腫瘍によるMeigs症候群が疑われ当院紹介となった.当院入院後,腹水細胞診施行したが悪性細胞は認めなかった.良性卵巣腫瘍によるMeigs症候群を考え手術を施行した.術中右卵管腫大を認め,迅速病理診断にて卵管癌と診断された.子宮全摘,両側付属器切除,骨盤リンパ節郭清および大網切除術を行った.術後,胸・腹水は漸次減少消失した.現在術後TJ療法施行中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
244-244, 2005
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