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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
深部静脈血栓症
当科における静脈血栓塞栓症の3例


田中 躍, 五來 逸雄
国際医療福祉大学附属熱海病院産婦人科


 婦人科手術に伴う静脈血栓塞栓症では卵巣癌,子宮体癌,巨大卵巣嚢腫,巨大子宮筋腫がハイリスクであるとされる.なかでも卵巣癌においては術前発症が多いことと,組織型では明細胞腺癌で頻度が高いことが特徴である.当科では2003年12月1日から2005年3月15日現在まで計117手術症例において3例の周術期静脈血栓塞栓症症例を経験した.これら3例について若干の文献的考察を加えて報告する.症例1は36歳0妊0産婦.診断は卵巣癌IIc期(組織型:明細胞腺癌).両下肢血栓性静脈炎既往の疑いあり.下腹部痛出現にて前医受診後当科紹介となる.術前の両下肢静脈造影検査では特に異常を認めず.根治手術施行後14日目にタキソール・カルボプラチン(TJ)療法1コース目の13日目より両下肢深部静脈血栓症および左下肢血栓性静脈炎,両側肺動脈血栓症を発症した.症例2は46歳0妊0産婦.過多月経及び貧血を主訴に受診.子宮筋腫の診断にて保存的治療後に手術の方針となる.腹式単純子宮全摘術施行後6日目に右下肢の腫張出現.超音波検査にて両下肢の深部静脈血栓塞栓症を認めた.術後に,以前に軽度だが数回下肢の非対称性の浮腫が出現していたことが判明した.症例3は53歳1妊1産婦.下腹部膨満感自覚し受診.診断は卵巣癌IIc期(組織型:明細胞腺癌)にて根治手術施行.術前の下肢静脈超音波検査にて左下肢深部静脈の軽度拡張像あり.術後2週間目に両下肢静脈造影検査施行したところ左下肢膝窩部に血栓像を認めた.近年本邦においても静脈血栓塞栓症は増加傾向にある.術前には十分な既往歴の聴取を行い,静脈血栓塞栓症が疑われれば十分な検索をしてから手術に望むことが大切である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 245-245, 2005


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