|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
子宮体部良性腫瘍 子宮鏡下手術にて治療した嚢胞性子宮腺筋症の1例
和田 康菜1), 栗林 靖1), 矢作 奈美子1), 中島 健1), 増田 充1), 岩田 正範1), 斎藤 薫1), 堀越 裕史1), 近藤 俊彦1), 徳山 真弓1), 石塚 文平2)
聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2)
【緒言】子宮に発生する嚢胞性病変は全子宮腫瘍の0.35%と言われ,さらにその嚢胞化した病変が子宮腺筋症である例は非常に稀である.今回我々は,子宮鏡下に嚢胞性子宮腺筋症を治療したので若干の文献的考察と伴に報告する.【症例】39歳,3経妊2経産(2回とも帝王切開術),月経困難症と発熱を主訴に他院より紹介され即日入院となる.入院時,子宮は正常大であったが著名な圧痛を認めた.超音波断層法及びCT,MRI上,子宮前壁筋層内に径約4cmの溜血腫と画像診断された.血液検査では,WBC 11,000/mm3,Hgb 7.6g/dl,CRP 9.6mg/dl,CA125 52U/mlであり,炎症と貧血に対し約2週間の治療を行った.治療後症状は軽快したが溜血腫の大きさは不変であった.子宮鏡およびSHGにおいて子宮腔に突出した腫留を認めた.このため,子宮鏡下に核出術を行った.検体重量は38g,病理組織検査では,子宮腺筋症であった.術後経過は,順調で再発は認めていない.【考察】今回我々は,子宮鏡下に嚢胞性子宮腺筋症を治療した1例を経験した.嚢胞性子宮腺筋症は,子宮のあらゆる部位に発生しうるためその治療法は必然的に異なる.このため,子宮の漿膜側に発生していれば腹腔鏡下に,粘膜下に発生していれば子宮鏡下に治療しうると思われた.また,嚢胞性子宮腺筋症発生に関し今回の症例の発生部位から既往帝王切開術の関与も示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
248-248, 2005
|