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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【シンポジウム2】
3.再発卵巣がんの化学療法


勝俣 範之
国立がんセンター中央病院腫瘍内科 医長


 卵巣がんの初回治療終了後,もしくは初回治療中に再発,再燃を来す例が,全体の約60%にのぼる.一旦再発すると,無再発期間が長くて腫瘍が限局している例などを除いては,あらゆる治療をつくしても治癒が困難である.従って,再発卵巣がんの治療の目標は,いかにがんとうまく共存していくか,ということである.再発卵巣がんの治療の主体は,化学療法ということになるが,化学療法選択の規準として,platinum sensitive diseaseか,platinum resistant diseaseなのか判断することが重要である.最終platinum製剤投与より,6か月以上経過してから再発・再燃した場合,platinum sensitiveと考え,platinum+taxaneが選択される.最終platinum製剤投与より6か月以内に再発・再燃した場合は,platinum resistantと考えられ,platinum製剤以外の薬剤が選択される.platinum resistant diseaseの場合,完全に標準的治療はまだ定まってはいないが,有用性が期待されている薬剤としては,liposomal doxorubicin,topotecan,irinotecan,oral etoposideなどのcytotoxic drug,または最近ではbevacizumabなどの分子標的薬が期待される薬剤である.また,いつまで化学療法をするか?という点も重要であるが,再発卵巣がんでplatinum resistant diseaseに対しては,survival benefitが証明されていないのが現状であるので,化学療法をしないで,緩和治療という選択があるということを患者と相談をしておくことが望ましいと考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 295-295, 2005


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