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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(1) 当院における骨盤位分娩症例の検討
最上 多恵, 沼崎 令子, 鈴木 靖子, 住友 和子, 石山 朋美, 飛鳥井 邦雄
横浜南共済病院産婦人科
<目的>2000年のHannahらの報告を受け,近年は我が国においても単胎骨盤位妊娠例に帝王切開術が予定される傾向にある.今回,当院で経験した単胎骨盤位分娩につき後方視的に検討した.<方法>2001年1月から2005年5月までに当院で経験した単胎骨盤位分娩,初産89例,経産51例,計140例を対照とした.経腟分娩を試みる症例は,妊娠37週以降であること,児頭骨盤不均衡がないこと,足位ではないこと,推定児体重2000 g以上であることを条件とした.また分娩は必ず経験10年以上の医師が行う,もしくは介助することとした.<成績>経腟分娩を試みた症例は35例であり,そのうち8例が分娩進行中に緊急帝王切開となった.理由は,足位4例,NRFS発生4例であった.経腟分娩に成功した症例(以下,経腟群)は27例で,初産11例,経産16例であった.帝王切開を行った症例(以下,帝切群)は初産78例,経産35例であった.経腟群と帝切群で児の予後を比較すると,経腟群において骨折,外傷,上腕神経麻痺の症例はなく,新生児仮死症例が1例,後続児頭娩出困難により鉗子を使用した症例が2例あった.帝切群においては,娩出時に大腿骨骨折を1例認めた.<結論>単胎骨盤位分娩では,患者が経腟分娩を希望した場合,十分な説明と同意のもとに,熟練した産科医が立会い,速やかに緊急帝王切開術を行える体制で管理すれば,安全に骨盤位分娩を管理することができる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
306-306, 2005
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