|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(2) DDGアナライザが有用であった急性膵炎合併妊娠高血圧症候群の1例
篠原 佳枝1), 吉永 陽樹1), 古田 賢1), 古屋 潮1), 大亀 幸子1), 山本 樹生2)
船橋中央病院周産期センター産科産婦人科1), 日本大学医学部産婦人科教室2)
DDGアナライザーは循環動態を知る上でその有用性が報告されているが今回DDGを用い循環血液量(BV)を把握が有用であった症例を経験したので報告する.「症例」39歳3回経妊3回経産,前期破水疑いにて母体搬送入院となる.来院時血圧173/93.全身に著名な浮腫を認める.前期破水は否定されるもWBC16300,Hb8.2 g/dl,尿酸7.6 mg/dl,FDP22.66 mg/dl,AT3 91%,T-Chol375 mg/dl,TG486 mg/dl,s-Amy166 mg/dl尿蛋白2278 mg/dl,u-Amy1927 mg/dlの異常値を認め,診断として妊娠高血圧性腎症,急性膵炎疑い(重症度スコア0P)であった.DDGにてBVを測定したところ2.6 L/Bodyと著名な減少を認め,輸液と輸血を含めたBVの増加を行い,帝王切開での分娩となった.術後腹部CTにて膵臓の腫大を認め重症急性膵炎の診断を得,禁飲食,FOY投与にて軽快退院となった.「結語」通常膵炎は脱水の放置により悪化するため,今回DDGによりBVを把握管理したことで更なる重症化を回避できたものと考えられる.本症例は当院で測定された妊娠高血圧症候群のなかでもBVの著しい減少を認めていた.DDGアナライザーによるBVの把握は産科管理上有用と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
308-308, 2005
|