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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(2)
頭部MRIにて著明な異常所見を認めた子癇の3例


松原 正和1), 酒井 美幸1), 上田 典胤1), 橘 涼太2), 本道 隆明2), 木村 薫2)
伊那中央病院産婦人科1), 厚生連篠ノ井総合病院産婦人科2)


 今回,我々はMRIにて著明な異常所見を認めた妊娠子癇および産褥子癇の3例を経験したので報告する.【症例1】26歳,0回経妊.妊娠35週3日に子癇を発症した.発症直後の頭部MRIのFRAIR像では両側基底核と後頭葉に高信号領域を認めた.DWI,MRAでは異常を認めなかった.妊娠35週4日に帝王切開術を行った.発症8日目の頭部MRIでは病変部の著明な改善を認めた.【症例2】27歳,0回経妊.39週2日に正常経膣分娩したが,産褥4日目に子癇を発症した.発症2日目の頭部MRIのFRAIR像では,左後頭葉と左頭頂葉に,高信号領域を認め,DWIでは異常は認めず,MRAでは脳血管攣縮像を認めた.発症4日目の頭部MRIでは病変部の改善を認め,発症34日目の頭部MRIでは病変部は完全に消失していた.【症例3】26歳,0回経妊.妊娠34週1日に重症妊娠中毒症のため,帝王切開術を行ったが,術後1日目に子癇を発症した.発症直後の頭部MRIのFRAIR像およびDWIで,両側後頭葉に高信号領域を認めた.MRAでは異常を認めなかった.発症14日目の頭部MRIでは病変部は完全に消失していた.3症例とも神経学的後遺症を残さず退院となった.頭部MRI検査は,子癇の診断および治療評価に有用と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 309-309, 2005


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