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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
胎児異常(1) 3Dパワードップラー法を用い胎児診断された肝血管腫の1例
勝俣 祐介, 久保 祐子, 高木 剛
群馬県立小児医療センター産科
【症例】23歳,0経妊.既往歴,家族歴特になし.自然妊娠し近医にて妊婦健診施行.33週の妊婦健診にて胎児肝臓内に腫瘍が指摘された.2週間後に腫瘍は4×3×3 cmに増大し,36週1日にて当科紹介となった.来院時,肝右葉外側領域に約5 cm大,境界不明瞭,内部不均一な低エコー領域の腫瘍像を認めた.2Dエコーでは右肝静脈に腫瘍からの豊富な血流を認めたが,内部の詳細な構造や血流の観察は困難であった.胎児MRIではT2W1で高信号,T1W1で肝臓よりやや低信号の腫瘍で,腹腔動脈分岐前後で下行大動脈径に格差があり,肝血流が増加していることが示唆された.3Dパワードップラーでは腫瘍内部の豊富な血管像が観察され,以上より肝血管腫と診断された.胎児発育は良好,肝臓以外に明らかな異常所見なく,自然分娩待機とした.腫瘍は7×6×6 cmまで増大したが,胎児に明らかな心不全徴候は認めていなかった.39週6日,2806 g,女児,APS:6/8にて経膣分娩.分娩時の血管腫破裂はなく,外表奇形,皮膚や他臓器の血管腫も認めなかった.出生当日より腫瘍圧迫による呼吸不全,哺乳不良や重症黄疸を認めた.ステロイド治療を開始したが,次第に高拍出量性心不全をとなり,日齢6にて透視下腫瘍塞栓術が施行された.【考察】肝血管腫は胎児・新生児期にはまれな良性疾患であるが,腫瘍増大により胎児期においても心不全を呈することがあり管理には注意を要する.診断には3Dパワードップラーが有用であった.児は現在も加療中であるが,心不全は次第に解消されつつある.今回,出生前診断された胎児肝血管腫につき,出生後の治療経過も含め報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
310-310, 2005
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