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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
胎児異常(1) 胎児尿採取により胎児腎機能を推測した胎児膀胱出口部閉塞の一例
高橋 絵理, 和田 誠司, 永田 知映, 梅原 永能, 池谷 美樹, 杉浦 健太郎, 大浦 訓章, 恩田 威一, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科
胎児膀胱出口部狭窄は,重症例では水腎症から腎不全をきたし胎児尿が減少する結果,羊水過少となる疾患である.さらに長期間の羊水過少は重得な肺低形成をきたし予後不良となる.男性では後部尿道弁,女性では尿道閉鎖が主な原因である.今回我々は胎児膀胱穿刺により胎児尿を採取し,腎機能を推測した症例を経験したので報告する.症例は31歳,0妊0経,前医より胎児腹部巨大嚢腫のため18週0日で紹介となった.超音波検査,MRIで胎児膀胱出口部狭窄による巨大膀胱と診断された.同日に羊水染色体検査と膀胱穿刺により胎児尿2 Omlを採取した.染色体は46,XX,正常核形.24時間後に再び胎児膀胱穿刺を施行し5 mlの胎児尿が採取されたが,尿中Na,Cl,Ca,P,浸透圧,β2マイクログロブリン等を測定し,Glickらの予後基準で腎機能はpoor prognosisと推定された.膀胱羊水腔シャントも検討されたがインフォームドコンセントのもとterminationとなった.娩出された児の肉眼所見は巨大膀胱のほか片側下肢の拘縮を認めた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
310-310, 2005
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