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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
胎児異常(2)
妊娠初期より継続する上部消化器症状の原因精査中に診断された,胎児小脳低形成の1例


佐藤 卓, 金 善惠, 浅井 哲, 末盛 友浩, 野村 弘行, 加藤 直子, 佐藤 健二, 岩田 卓, 白石 悟
大田原赤十字病院産婦人科


 胎児小脳低形成は比較的稀な中枢神経奇形であり,菲薄な小脳半球幅および大槽の拡大などの超音波所見により出生前診断が可能である.今回我々は妊娠初期より継続する上部消化器症状の原因精査中に診断された,胎児小脳低形成の1症例を経験したので報告する.症例は25歳,0経妊0経産,平成16年12月14日に当院初診し妊娠5週相当と診断された.妊娠7週より悪阻症状が出現し,症状が増悪したため2月2日(12週2日)に安静および補液目的で入院管理としたが,入院時の血液検査でGOT・GPTの上昇・T-Bil値の上昇を認めたため,肝機能改善薬の投与を行った.入院当初より嘔気が著明で経口摂取困難であり,症状の改善を認めなかったため悪阻以外の疾患の可能性を考え,甲状腺機能検査・上腹部超音波検査・脳MRI・上部消化管内視鏡内視鏡検査などを行ったが明らかな異常を認めなかった.妊娠20週時の胎児超音波検査で,BPD:+2.6SD,FTA:-1.9SD,EFBW:0.4SD(435 g)と頭部の巨大化と体幹部の発育不全を呈する非対称な発育所見となり,特に頭蓋内において大槽および脳室の拡大を認める一方,小脳は描出されなかったため,小脳欠損を伴う胎児水頭症と診断した.夫婦へのインフォード・コンセントのもと,妊娠21週時にゲメプロスト腟坐剤による人工妊娠中絶術を施行した.児は540 g,身長30 cmで,水頭症以外の外表奇形は認めなかった.病理解剖結果では小脳容量の減少と小脳回・Purkinje細胞・顆粒細胞の発達不良を指摘され,小脳低形成と確定診断された.他臓器に合併奇形はなく,また児の染色体検査(G-band)でも,異常は認められなかった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 313-313, 2005


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