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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
胎児異常(3) 出生前にde novoの均衡型相互転座と診断された3症例の検討
望月 純子, 金井 雄二, 谷 昭博, 天野 完, 海野 信也
北里大学医学部産婦人科
出生前羊水染色体検査で児が均衡型相互転座と診断された場合,両親のいずれかが同じ転座保因者ならば,児の奇形発症率は高くないと考えられる.しかし,de novo均衡型相互転座では(1)break pointでの微小な欠失(2)遺伝子内での切断(3)一連の遺伝子の相互位置関係の変化が予想され,予後の予測に苦慮することが多い.当院で経験した3症例の経過について報告する.出生前羊水染色体検査で,羊水中の線維芽細胞をin situ法で培養後,G分染法で20細胞を分析した.検査前には,検査の方法,検査の限界,流産・破水のリスクについて説明し,文書で同意を得た.分析可能であった6915例のうち,3例がde novo均衡型相互転座と診断された.症例1は1経妊1経産婦で,高年齢を理由に羊水検査を行い,de novo 46,XY,t(11;22)(q23;q11)であった.妊娠中断を選択したが病理解剖の結果では形態異常を認めなかった.症例2は1経妊1経産婦でいとこ婚を理由に羊水検査を行い,de novo 46,XX,t(6;11)(p11.2;p12)と診断された.39週4日,2988gの女児を出産し,児は前頭部白髪と両眼角膜混濁,内眼角解離を認めた.症例3は2経妊1経産婦,羊水検査でde novo 46,XX,t(7;8)(p21.2;q22.3)と診断された.妊娠継続し37週6日で2680 gの正常女児を出産した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
315-315, 2005
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