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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
胎児異常(4) Cystic hygromaの一例
雨宮 厚仁, 滝澤 基, 高木 司, 河野 恵子, 永田 育子, 小川 浩平, 白石 眞貴, 池上 淳, 寺本 勝寛
山梨県立中央病院総合周産期母子医療センター
超音波技術の向上により,妊娠初期胎児形態異常の診断が可能になってきている.今回我々は,妊娠初期cystic hygromaを認めたが,妊娠継続,分娩後新生児死亡となった症例を経験したので報告する.症例31歳,初妊婦,既往歴3歳PS,PDA,10歳左下肢リンパ管静脈吻合術.現病歴,自然妊娠成立後,前記既往のため当院紹介となる.当院初診時,妊娠12週1日であった.エコー所見,頭殿長6,6 cm(妊娠13週4日相当)大横径2,2 cm(妊娠13週2日相当)頭部全周にわたり皮下浮腫を認め(最大1.6 cm),Cystic hygromaと思われた.TORCH異常所見なし.妊娠15週0日羊水染色体検査,正常核型であった.妊娠18週より羊水過多傾向あり.妊娠19週にはCystic hygromaはほぼ消失したように思われた.妊娠22週AFI25.7 cm下肢浮腫増強.羊水過多に対しては自覚症状改善のため適宜,羊水除去を行うこととした.妊娠31週,胎児MRI検査も胎児異常所見は認めなかった.妊娠33週0日羊水除去2000 mlマイクロバブルテストstrongであった.推定体重3589 gと児推定体重大きく,肺成熟所見得られたため児娩出の方針とした.妊娠33週3日,羊水過多症,巨大児疑い,貴重児にて腹式深部帝王切開術施行(術時出血量5237 ml)した.出生児は,体重3496 g身長50 cmアプガースコア6/7の女児であった.出生直後より全身浮腫と呼吸障害を認め,挿管管理した.出生時より左肺胸水(穿刺にて血胸)を認めた.その後,呼吸状態落ち着き,排尿良好,浮腫軽減も,日齢5より尿量減少浮腫悪化,Na低下K上昇が進み,日齢10にて死亡した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
316-316, 2005
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