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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
子宮体癌
診断に苦慮した子宮内膜Serous adenocarcinomaの1例


澁谷 裕美, 矢島 正純, 酒井 謙, 岩下 光利
杏林大学医学部産婦人科


 症例は49歳1経妊1経産.4〜5年前より時々不正性器出血があり,前医のがん検診にて内膜細胞診クラスIII,単純型子宮内膜増殖症を指摘されたことがあるが,その後のフォローにて陰性化しており経過観察していた.最近,不正性器出血が持続し内膜細胞診にてクラスIII,組織診にてendometrioid adenocarcinoma,Grade 2を指摘され当院紹介となった.画像診断にて筋層浸潤は認められず,準広汎子宮全摘出術+両側付属器切除術+骨盤リンパ節郭清術を施行した.摘出標本の病理診断は,子宮底部には内膜に限局するendometrioid adenocarcinoma,G1が,内子宮口近くの体部にはやはり内膜に限局するSerous adenocarcinomaの像がみられた.二つの病巣に連続性は認められず二重癌か粘膜内転移かは明らかではない.脈管浸襲はなく,骨盤リンパ節にも転移は認められずIa期と診断されたが,特殊な組織型であったため術後化学療法としてPaclitaxel+Carboplatinを6コース施行した.子宮底部病巣に比し,頸部よりの病巣の組織型の予後は不良だが,過去の検査では主に底部病巣が検出されたと推測され,頸管と子宮底部の間の検索にも注意を払う必要があると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 380-380, 2005


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