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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
子宮体癌 Low malignant potential症例も含んだポリープ状異型腺筋腫症例の検討
米山 剛一, 西 弥生, 三浦 敦, 黒瀬 圭輔, 阿部 崇, 石川 温子, 土居 大祐, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科
Low malignant potential症例も含んだポリープ状異型腺筋腫症例を経験したので報告する.症例1は34歳,未経妊,未婚女性,主訴は過多月経である.近医を受診したところ子宮内膜ポリープを指摘され,当科へ紹介となった.当科初診時,子宮内腔に約18 mmのポリープを認めた.子宮頸部の細胞診はclassI,子宮内膜の細胞診はclassIIであった.某日,経頸管的子宮内膜ポリープ切除術(TCR)を施行した.その病理結果は,atypical polypoid adenomyoma(APA)with low malignant potentialであった.腫瘍組織の間質について免疫染色による検討がなされた.CD-10,α-SMAの染色にてAPAと考えられる間質は多発巣状にCD-10の陽性細胞を認めるが,大部分はα-SMA陽性であった.その後,子宮内膜前面掻爬にて子宮内膜に異型細胞がないことを確認した.その後,MPA 600 mg/dayの投与を開始し,現在経過を観察中である.症例2は35歳,未経妊,既婚女性,主訴は過多月経である.過多月経によりHb 3.5 g/dLと高度の貧血を呈した.子宮内腔に約30 mmのポリープを認めた.TCR施行後の病理検査にてAPAであった.インフォームドコンセントの結果,MPAを使用しつつ経過観察を希望し,妊娠に至った.Atypical polypoid adenomyomaは一部の症例では経過中に腺癌の発生が報告されており,個々の症例に応じて治療法を選択することが肝要と思われる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
381-381, 2005
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